自分としては普通に接してきただけなのに、“人の気持ちがわからないのか”と言われたことがあるといった方もいるかもしれません。
今、“人の気持ちがわからないなんて、もしかしたら自分は大人の発達障害なのかもしれない”と悩んでいる方も多いようです。
そのような方の場合、発達障害の一種であるアスペルガー症候群が疑われるケースがあります。
本記事では、アスペルガー症候群とは何か、無理のない働き方をまとめました。
アスペルガー症候群かもしれないと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
人の気持ちがわからない?アスペルガー症候群ってどんなもの?
アスペルガー症候群は、人の気持ちがわからない発達障害のひとつと言われています。
アスペルガー症候群とは何かについて、下記で解説していきましょう。
大人のアスペルガー症候群とは?
アスペルガー症候群とは、現在「ASD(自閉スペクトラム症)」と呼ばれる発達障害のひとつです。
ASDの診断名としてアスペルガー症候群が使われており、特徴として対人関係における障害などがあります。
その場に合わせたコミュニケーションが難しい、人の気持ちが理解しにくい、反復的な行動、興味・同一性へのこだわりなどが大人のアスペルガー症候群です。
子どもの頃は気づかれず、大人になってからわかることも
アスペルガー症候群は知的障害を伴わないため、子どもの頃には目立ちにくいと言われています。
大人になり人間関係が複雑になり、さらに多様なコミュニケーションが求められるようになったことで、対人トラブルなどが表面化しやすくなるようです。
その状況に悩み、診察してもらった結果、アスペルガー症候群と診断される方も多くいます。
なぜ「人の気持ちがわからない」と見られやすいのか
アスペルガー症候群には、身体的なものなど表面的な特徴がありません。
そのため、アスペルガー症候群と判断されにくく、“人の気持ちがわからない”と思われやすい傾向があります。
そもそも、アスペルガー症候群の方は人の表情や雰囲気、イントネーションなどを読み取ることが苦手であり、コミュニケーションにおいても相手の気持ちを考えない言動をとってしまうことがしばしばあるようです。
その結果、“普通はこういった時、こういった言葉を返すのに、あの人の行動には違和感がある”と思われてしまうことがあります。
アスペルガーの人の特徴や仕事での困りごと
アスペルガーの人は、仕事でも困りごとが多いと言われています。
アスペルガーの人の特徴や仕事での困りごとについて、下記で解説していきましょう。
人の気持ちを理解するのが苦手
アスペルガーの人は、人の気持ちを理解することが苦手です。
相手が怒っていてもそれを読み取れない、良かれと思って言ってくれる・やってくれたことも感謝できないなど、本人に悪気はないのですが勘違いされやすい行動をとります。
コミュニケーションが重視されるような職場では、とくにアスペルガーの人は孤立しやすくなってしまうでしょう。
こだわりが強く柔軟に対応しにくい
アスペルガーの人には、こだわりが強いといった特徴があります。
アスペルガーの人は変化に対する不安が強いため、安心感を強く求める傾向にあると言われています。
感覚過敏の方も多く、その不快感を避けるために一貫した自分のこだわりをつらぬくことから、頑固、融通が効かないと見られることも少なくありません。
そのため、職場でも自分のやり方を曲げず、さらに“自分はこうだ”といった主張が強過ぎるといった部分で人間関係がうまくいかないことが結構あるようです。
仕事で起きやすい問題と悩み
アスペルガーの人にとって、仕事でおきやすい問題と悩みがこれらと言われています。
| コミュニケーションの悩み | 相手の表情や声、会話の前後の文脈などを読み取ることが苦手であり、不快なことを言ったり相手の気持ちを理解しない言動をとるなど、人間関係の構築が難しいと考えられています。 |
| こだわりの強さから来る悩み | 不安を強く感じる特徴があり、それを避けるためマイルールを設定している方が多い。そのため柔軟性に欠ける、先輩や上司の指示も守れない、臨機応変な対応ができないといったケースも見られるようです。 |
| 報連相(ほうれんそう)ができない | アスペルガーの人は抽象的な概念の理解が難しく、曖昧な情報から考えを展開できないと言われています。またこだわりが強く自分のペースを重視してしまうため、報連相(ほうれんそう)が苦手であり、必要最低限の共有情報などの漏れなども起こりやすいと言われています。 |
上記のように、人間関係を構築してチームで仕事をする、細かな情報を共有することが多い、自由で柔軟な発想を求められる、このような職場ではなかなか理解されにくといった悩みを抱えているようです。
人の気持ちがわからないときの対処法
人の気持ちがわからない、アスペルガー症候群かもしれないと悩んでいる方もいるでしょう。
人の気持ちがわからないときの対処法を、下記にまとめました。
周囲にサポートをお願いする
アスペルガーだからこそ、周囲の理解が必要です。
アスペルガー症候群とは何か、そしてそれを理解してもらうことで、周囲の人も対応の仕方を選ぶことができます。
本人に決して悪気があるわけではないと理解し、サポートしてもらうことも対処法のひとつです。
専門家や支援機関に相談する
アスペルガー症候群は、大人の発達障害のひとつです。
大人の発達障害に関する相談窓口には、「発達障害者支援センター」、「障害者就業・生活支援センター」、「就労移行支援事業所」などがあります。
まず、自らがアスペルガー症候群であるかを把握する上でも、これらの窓口に相談し、実際に医師の診断を仰ぐことも重要です。

無理をせず、自分に合った工夫を見つけてみる
アスペルガー症候群であることを隠しながら、無理をして社会生活を送ることが苦しいと感じる方もいるでしょう。
しかし、働き方によっては人間関係や業務でトラブルを起こす可能性もあり、それを引き金とした精神的なトラブルを起こしてしまう可能性もあります。
アスペルガー症候群である自分にとって、どんな働き方や人間関係、生活が向いているのか、冷静になって考えてみる必要もあるでしょう。
自分に合った工夫ができることで、今まで以上に生活しやすくなるはずです。
就労支援を利用して安心できる働き方を見つける
アスペルガー症候群の方は、まずご自身の特徴を理解し、安心しながら日々の生活を送れるように工夫する必要があります。
しかし、なかなか自分に合った仕事、アスペルガー症候群を理解してくれる職場が見つからずに悩んでいる方もいるでしょう。
そんな方は、就労移行支援、就労継続支援A型やB型事業所といった、「就労支援」サービスの利用も検討してみてください。
これら、「就労支援」は障害者総合支援法に定められた「障がい福祉サービス」であり、アスペルガー症候群で悩んでいる方に合わせた利用の仕方を選ぶことができます。
中でも就労継続支援A型は、雇用主と直接雇用契約を結べるため、給与を安定的に得られながらの就労が可能です。
アスペルガー症候群の方に理解がある職場、そして自らにあった安心できる職場を探す上でも役立つサービスなので、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
大人のアスペルガー症候群で悩んでいる方も、今少なくないと言われています。
人間関係がうまくいかない、職場で孤立しているような気がする、人の気持ちがわからず悩んでいるといった方は、日々の生活に息苦しさを感じているかもしれません。
まず、アスペルガー症候群について理解し、その上で自らが安心して生活できる基盤を整える必要があるでしょう。
その際、「就労支援」の利用もおすすめです。
アスペルガー症候群と感じている方は、ぜひ「就労支援」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。