医師からうつ病と診断され、一般企業などで従来通り働くことが困難になってしまった方もいるかもしれません。
その中でも、近い将来社会復帰したいと思っている方は、「就労支援」の利用を検討してみましょう。
就労支援は、うつ病と付き合いながら社会と関わり、働き続けたいといった意欲がある方に福祉サービスのひとつです。
本記事では、うつ病と就労支援についてまとめました。
ぜひ、参考にしてみてください。
うつ病と付き合いながら働くための就労支援いろいろ
うつ病と付き合いながら働きたい、そんな方には就労支援がおすすめです。
就労支援と一口に言ってもさまざまなものがあるため、自分に合った支援を選ぶ必要があります。
さまざまな就労支援について下記で解説していきましょう。
働きながら回復を目指せる「就労継続支援A型」
就労継続支援A型とは、障害や難病のある方でも企業と雇用契約を結び叩ける障害福祉サービスのひとつです。
就労継続支援A型の大きな特徴は雇用主と雇用契約を結んで働けるところで、工場での軽作業からデータ入力、レストランでのホールスタッフなど幅広い職種が用意されています。
精神的・肉体的な負担が少ない仕事が主で、週3日から週5日といったルーティーンで働けるところもポイントです。
リハビリ的に働ける「就労継続支援B型」
就労継続支援B型は、A型同様障害や難病のある方などを対象にした障害福祉サービスですが、雇用主と雇用契約を結ばないところが特徴の支援です。
週1回から短時間など、体調を考慮しながら働けるところが特徴で、就労に必要な知識や能力向上に必要な訓練を行うといった働き方になります。
部品の加工やクリーニング業務、パン作りなど精神的・肉体的な負担が少なく環境で働けるところもポイントです。
一般就労を目指す「就労移行支援」
就労移行支援は、障害や難病などが就労に向けたトレーニングを行うことで就職や復職後に職場に定着できることを目指す福祉サービスです。
就労移行支援は、就労に向けたトレーニングを重ね、職場見学や実習などを経たのちに就職活動サービスを受けて就職を支援するもので、利用期間は原則2年間と定められています。
就労移行支援では就職後もサポートを受けられるなど、安心して社会復帰ができる基盤が整えられています。
うつ病の人に向いている仕事・働き方
うつ病の人が少しずつ社会復帰するためには、うつ病の人でも働きやすい環境で仕事をスタートさせる必要があります。
うつ病の人に向いている仕事や働き方を下記で解説していきましょう。
一人で集中できる・マイペースにできる仕事
うつ病の方の多くは、人間関係や人のペースに振り乱されることに敏感です。
そのため、一人で集中できる環境や自分のペースに合わせてマイペースにできる仕事を選びましょう。
一人で黙々と集中できる仕事、働くペースを自分で調整できる仕事を選ぶことで精神的負担を受けずに働き続けられます。
在宅や短時間勤務など柔軟な働き方
うつ病の方の中には、職場への通勤、職場での人間関係などを精神的苦痛に感じる方もいます。
そのため、WEBデザインや動画編集、データ入力、ライターなど在宅でできる仕事も向いているでしょう。
また、長時間労働ではなく、短時間勤務で無理なく働ける職場を選ぶだけでも精神的負担を減らした働き方ができます。

サポートのある職場を選ぶ
うつ病の方が職場を選ぶ際、サポートがあるかどうかを確認しましょう。
上記でお伝えしたように時短勤務や在宅勤務、フレックスタイム制が可能か。
メンタルヘルス関連のサービスが充実しているかも選ぶポイントです。
どんな些細なことであっても、相談できる窓口がある職場であれば精神的負担も少なくなります。
うつ病でも利用できる就労継続支援という選択肢
就労継続支援は、うつ病の方でも利用できます。
精神的・肉体的負担をかけずに社会復帰への一歩を踏み出せる支援ですので、ぜひ利用を検討してみましょう。
うつ病と就労継続支援について下記で詳しく解説します。
うつ病でもA型事業所を利用できる?
うつ病でもA型事業所を利用できるのか、気になっている方もいるでしょう。
A型事業所を利用できる条件として、大きく分けて下記3つがあります。
| ・就労移行支援事業しても企業への就職に結びつかなかった ・特別支援学校を卒業後、就職活動をしたものの企業への就職には結びつかなかった ・就労経験があるが、現在企業との雇用関係がない |
また、原則18歳以上65歳未満の方であることが条件です。
うつ病の方の場合、「働ける意欲と体力がある」といったことが医師に判断されることで利用ができます。
精神科や心療内科で診断書または意見書をもらい、市町村の福祉課にて「障害福祉サービス受給者証」の申請を行うなどステップを踏むことで、うつ病の方でもA型事業所の利用は可能です。
利用の流れをわかりやすく解説
うつ病の方がA型事業所を利用する流れを、わかりやすく下記にまとめました。
- A型事業所を探し、見学や体験利用を経て面接を行う。
- 面接の結果、採用となった場合は市区町村の障害福祉担当窓口にて、「障害福祉サービス受給者証」の申請を行う。
- 「サービス等利用計画案」を提出後、認定調査が行われ、サービスの支給決定によって受給者証が発行される。
- A型事業所と利用契約と雇用契約を結び、就業がスタート
うつ病の方に限らずA型事業所を利用するには、「障害福祉サービス受給者証」の発行が必要ですので、注意しましょう。
A型事業所で自分のペースで社会復帰を目指す
A型事業所は、雇用主と雇用契約を結べるため、責任を持って働くことができます。
週3日から週5日、また仕事内容も負担が少ないものが多いため、自分のペースで働くことができるでしょう。
うつ病の方が働きやすい環境を整えている事業所ばかりなので、長く続けられそうな場所を探し、無理をせずに一般企業への就職や復職を目指してみてください。
まとめ
うつ病と診断されたことで、将来に向けて強い不安を抱える方も多いことでしょう。
まだまだ働く意欲がある、社会復帰したい、そんな方は自分のペースで働けるA型事業所やB型事業所、一般就労を目指す「就労移行支援」の利用を検討してみてください。
焦らず、ご自身の体調と相談しながら自分らしい働き方を見つけてみましょう。