「就業支援」と「就労支援」の違いとは?目的・種類・選び方を解説

「就業支援」と「就労支援」という言葉は、どちらも働くことに関係する支援ですが、その意味や目的は少し異なります。

ニュースや行政のホームページでどちらの言葉も見かけるものの、自分が利用すべきなのはどちらなのか、どのような人が対象なのかが分かりにくいと感じている方も多いでしょう。

特に、働くことに不安を感じている方や、病気や障害を抱えながら仕事を探している方にとって、この2つの違いを理解することはとても大切です。

この記事では、「就業支援」と「就労支援」の違い、それぞれの目的や支援内容、自分に合った支援を選ぶためのポイントまで詳しく解説します。

「就業支援」と「就労支援」はどう違うの?

「就業支援」と「就労支援」は、対象となる人や支援の性質には明確な違いがあります。

ここでは、それぞれの意味と特徴を見ていきましょう。

就業支援は“働く人すべて”への支援

就業支援とは、年齢や性別、職歴を問わず、すべての「働きたい人」に向けた支援を指します。

たとえば、初めて就職を目指す学生、転職を考える社会人、出産や介護でブランクがある方など、さまざまな立場の方が対象です。

具体的には、ハローワークによる職業紹介や、自治体や民間企業が行うキャリアカウンセリング、職業訓練などが含まれます。

つまり、就業支援は、誰でも働けるようにするための一般的なサポートです。

これは、安定した雇用の実現やキャリア形成の支援、職業スキルの向上を通じて、働く人が自立して活躍することが目的です。

働く意欲はあるものの、何から始めればいいか分からない方にとって、就業支援は大きな助けになるでしょう。

就労支援は“障害や病気を持つ人”のための支援

就労支援は、障害や病気、または社会的なハンディキャップを抱えている方を対象とした支援です。

これは障害者総合支援法に基づく福祉サービスのひとつで、国や自治体の認可を受けた就労支援事業所で行われています。

就労支援では、仕事を紹介するだけではなく、働くための基礎力や生活リズムを整えるところからサポートします。

たとえば、人間関係に不安がある方や、体調の波があって長時間働くのが難しい方などに対して、職員が一人ひとりに寄り添った支援を行うなどです。

作業訓練を通じたスキルの習得、面接練習や履歴書作成のサポート、職場体験や就職後の定着支援など、支援内容は多岐にわたります。

就労支援は、働くための準備ではなく、自分らしく働くことを目指す支援といえるでしょう。

2つの支援の目的とサポート内容を比較

「就業支援」と「就労支援」はどちらも働くための支援ですが、目的と手法に明確な違いがあります。

就業支援は:働きたいすべての方を対象に、職業紹介やキャリア相談、スキルアップのための職業訓練などを通して、より良い仕事に就けるようサポート

就労支援:障害や病気を持つ方が社会参加し、安心して働ける環境を整えることが目的

さらに、提供する機関も異なります。

就業支援:ハローワークや自治体、民間の人材紹介会社などが中心

就労支援:福祉サービス事業所や自治体の障害福祉課など

つまり、就業支援は「仕事を探す方」への支援、就労支援は「働くことが困難な方」への支援です。

就労支援の種類と向いている人

就労支援にはいくつかの種類があり、本人の状況や目指す働き方によって選ぶべき支援が異なります。

代表的なものに「就労移行支援」「就労継続支援A型」「就労継続支援B型」があります。

それぞれの特徴を見ていきましょう。

就労移行支援に向いている人

就労移行支援は、一般企業での就職を目指す方のための支援です。

対象は、身体・知的・精神・発達障害、または難病を持つ18歳から65歳未満の方です。

この支援では、ビジネスマナーの習得やパソコン操作などの職業訓練を行いながら、実際の企業での実習も経験できます。

また、面接練習や履歴書作成のサポートを受けることができ、就職活動全体を一貫して支えてもらえます。

就職後も定着支援が続くため、職場での不安や悩みを相談しながら安定して働けるようになるのも大きな特徴です。

一般企業で働きたいけれど自信がない方や、ブランクがあって再スタートに不安を感じている方に向いています。

就労継続支援A型に向いている人

就労継続支援A型は、事業所と雇用契約を結び、給料をもらいながら働くスタイルの支援です。

仕事の内容は、清掃や軽作業、データ入力、製造補助などが多く、一般就労に近い環境で経験を積めます。

職員のサポートを受けながら一定の時間働くことで、働くリズムを整えたり、職場での責任感を身につけたりできるでしょう。

安定した収入を得ながら、スキルアップを目指せる点が大きな魅力です。

一般企業で働くにはまだ不安があるものの、少しずつステップアップしたい人や、継続して働く習慣をつけたい方に適しています。

就労継続支援B型に向いている人

就労継続支援B型は、雇用契約を結ばずに通所し、作業を行う支援です。

体調の波があって定期的に働くことが難しい方や、長時間勤務が負担になる方などが対象です。

作業内容は手工芸や軽作業、農作業、清掃などさまざまで、自分の体調や得意なことに合わせて選べます。

報酬は工賃という形で支払われ、A型よりは少ないですが、社会参加や生活リズムの安定につながる重要な機会になるでしょう。

無理をせず、自分のペースで社会とのつながりを持ちたい方に向いています。

自分に合った支援を選ぶポイントとメリット・デメリット

就労支援には、それぞれにメリットとデメリットがあります。

自分に合った制度を選ぶためには、自身の体調や生活状況、将来的にどんな働き方を目指すのかを考えることが大切です。

ここでは、自分に合う支援の選び方、それぞれのメリットとデメリットを紹介します。

就労移行支援のメリット・デメリット

就労移行支援の最大のメリットは、一般企業への就職を目指せることです。

職業訓練や企業実習を通して実践的なスキルを学べるうえ、就職後の定着支援も受けられるため、職場への不安を軽減しながら働く準備ができます。

一方で、利用期間が原則2年までと限られているため、焦らず自分のペースで訓練を進める意識が必要です。

また、訓練期間中は収入が得られないため、生活面の工夫も求められます。

就労継続支援A型・B型のメリット・デメリット

A型のメリットは、雇用契約を結ぶため最低賃金以上の給料が得られ、安定した収入を確保できることです。

また、職員の支援を受けながら働けるため、安心感を持って仕事に取り組めます。

ただし、勤務時間や作業内容が固定されていることが多く、体調の変化に柔軟に対応しづらい点はデメリットだといえるでしょう。

B型は、自分の体調や生活リズムに合わせて通所できる自由度の高さが魅力です。

長く働くことが難しい方でも、無理せず自分のペースで作業を続けられます。

ただし、報酬である工賃が低いため、生活の中心を仕事にするのは難しく、一般就労を目指すには時間がかかる場合もあります。

支援を選ぶときのポイント

自分に合った支援を選ぶには、最初に将来の目標を明確にすることが大切です。

「一般企業で働きたい」「無理せず長く続けたい」など、自分がどのような働き方を望んでいるかを整理しましょう。

また、就労支援事業所は見学や体験が可能です。

実際に訪れて雰囲気を確認し、職員や利用者との関わり方を見てみることで、自分に合うかどうか判断できます。

さらに、ハローワークや地域障害者職業センター、相談支援専門員などの専門家に相談することも重要です。

制度の詳細や利用手続き、地域の支援情報などを詳しく教えてもらうことも検討しましょう。

まとめ

就業支援は、働く意欲を持つすべての方が対象で、就職や転職、スキルアップを支援するものです。

一方、就労支援は、障害や病気を抱える方が社会参加し、自分に合った働き方を見つけるための福祉的サポートです。

「就業支援」と「就労支援」の違いを理解し、自分に合った支援を選ぶことで、無理のない働き方と自分らしい生き方を実現しましょう。

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