さまざまな理由から一般企業での就労が難しい方に向けた障害福祉サービスが、就労支援です。
就労支援の就労支援A型は一般企業のように働けるものもあるため、「社会保険」に加入できるケースがあります。
本記事では、就労支援における社会保険について詳しく知りたい方に向けた情報をまとめました。
就労支援を利用して社会保険に加入したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
就労支援A型で社会保険には加入できる?
就労支援の中には、就労支援A型と呼ばれるものがあります。
就労支援A型を利用した場合、ケースによっては社会保険への加入が可能です。
就労支援A型で社会保険への加入が可能なのか、詳しく解説します。
A型事業所は「雇用契約」がある働き方
A型事業所は、就労継続支援A型と呼ばれる福祉サービスです。
同サービスの特徴は事業所と「雇用契約」を結んで働けるもので、「最低賃金」が保証されています。また、労働基準法などで守られるため雇用保険への加入も必須です。
雇用契約を結べる働き方なので、ケースによって社会保険への加入も可能とされています。
社会保険に加入できる条件とは
就労支援A型での就労条件によっては社会保険への加入が可能です。その条件は一般企業で働く方と同様であるため、下記の条件を満たせば社会保険に加入ができます。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月額賃金が8.8万円以上
- 2カ月を超える雇用の見込みなど
ほか、学生ではなく勤務先の規模などの条件を満たせば、A型事業所で社会保険への加入が可能となります。
社会保険に加入できないケースもある
就労支援A型では、社会保険に加入できないケースもあります。
端的にいえば上記でお伝えした、“社会保険に加入できる条件”に合致しない場合は社会保険への加入はできません。
所定労働時間が週20時間未満や2ヶ月以内の短期雇用契約などがそれに該当しますが、従業員5人以下の事業所では社会保険の「強制適用事業所」とみなされないため、条件を満たしていても加入できないため注意してください。

就労支援A型の労働条件はどうなっている?
就労支援A型の労働条件には、決まりがあります。就労支援A型の労働条件について下記で解説します。
勤務時間・日数はどれくらいが一般的?
就労支援A型における1日の労働時間は、4〜6時間程度が一般的だといわれています。
また、週3日から5日、時間は20時間以上勤務という事業所がほとんどです。
給料は最低賃金以上が保証される
就労支援A型は、利用者と雇用契約を結ぶところが最大の特徴です。
そのため、利用者は労働者として扱われ、地域の最低賃金が保証されているため安心して働くことができます。
有給休暇・休職・欠勤の扱いについて
就労支援A型の利用は労働基準法に基づきます。
そのため、6ヶ月間継続して勤務し、さらに全労働日の8割以上出勤した場合に有給休暇が付与されるなど、利用者は一般企業と同様に扱われるところが特徴です。
休職については事業所の就業規則によって内容に違いはありますが、傷病手当金の活用、また復職も条件次第で可能になります。
欠勤については給与が差し引かれる場合があるほか、14日以上の連続した無断欠勤によって懲戒解雇となるケースがあるため注意しましょう。
就労支援A型と「106万円の壁」の関係
社会保険において、「106万円の壁」という言葉が存在します。
就労支援A型と「106万円の壁」の関係について下記で解説します。
106万円の壁とは何か?
「106万円の壁」とは、パートなど短時間労働者の年収が約106万円(月額8.8万円)を超えた場合、社会保険への加入義務が発生するといったものです。
この結果、手取り額が減少するとされており、働き控えとなるケースも発生しています。
A型事業所で106万円を超えるとどうなる?
A型事業所は、利用者と雇用契約を結ぶため、一般企業で働くパートなどと同様の待遇となります。
つまり、年収106万円(月収換算8.8万円)を超えた場合は社会保険への加入が義務付けられることになるのです。
その結果、給与から社会保険料が天引きされてしまい、手取り額が減少することになります。
106万円の壁をどう考えるべきか
「106万円の壁」には、手取り額の減少が発生するため損と考える向きがあります。
ただし、厚生年金や社会保険による将来への安心・投資と考えることもできるほかに、年収125万円以上で逆転現象は解消されるため、働き方と考え方を変化させるといった声もあるようです。
「106万円の壁」は、加入者の損ではなく、両軸から考える必要があるでしょう。
社会保険に加入して働くメリットと注意点
社会保険に加入するメリットは、多数存在します。
一方、注意点もあるため合わせて下記で解説していきます。
病気やケガのときの保障が手厚くなる
社会保険加入のメリットは、病気やケガのときの保障が手厚くなるといった部分です。
「傷病手当金」によって収入が補填されること、出産時の「出産手当金」など、いざという時に手厚い保障が受けられるため安心して働けます。
将来の年金が増える
社会保険に加入した場合、基礎年金である国民年金だけでなく厚生年金にも加入することになります。
そのため、将来受け取れる年金が2階建になるメリットがあり、社会保険に未加入の時よりも多くの年金額を受けられるため安心です。
不安な場合は事業所や自治体に相談しよう
就労支援A型での社会保険加入にはメリットが多いですが、利用者全てがそう考えるとは限りません。
健康保険や厚生年金、雇用保険など、社会保険について不安が強い場合は、まず事業所や自治体への相談が必須です。
加入後にトラブルにならないよう、できるだけ早めに相談できるようにしてください。
まとめ
就労支援A型では、一般企業で働く方のように働き方によって社会保険への加入が可能です。
社会保険への加入条件を理解することで、不安なく事業所を利用し続けることができます。
わからない時は、速やかに事業所や自治体に相談し、悩みを払拭させましょう。